2023.02.20
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マイホームを購入前にお読みください② 新築VS中古徹底比較

更新日2023/5/25

新築VS中古

 

 それでは「新築戸建て」と「中古戸建て」の違いやどちらに優位性があるのかを今回は解説していきたいと思います。

結論から申し上げますとそれぞれぞれ勝っているポイントがあるのは事実ですが、新築と中古どちらが良いかは答えが存在しません。ですが、それぞれ勝っている点言いかえればそれぞれの弱点もわかるというわけです。また、このサイトの最大の特徴である性能向上リノベーションという目線も取り入れて解説していきたいと思います。それでは解説を始めます。

 

1.新築と中古各項目どちらに優位性があるのか?

①立地と利便性

中古が優位

「中古」の方が優位です。

学区などの関係で「このエリアに住みたい」という希望があっても、新築ではなかなか見つからないというケースがあります。新築をお探しの方はそのような場合は、(1)気長に探す、(2)中古に切り替える、(3)新築を優先してほかのエリアも検討する、のいずれかを選ぶことになります。

人気のあるエリアや、昔からある街は、当たり前の話ですが、既に建物が建っていて、新築が建つ機会は少なくなってしまいます。数少ないチャンスを見過ごさないように情報収集を行いましょう。物件数が中古の方が多くなりますので、中古を探しながら、新築も同時に探すのが良いと思います。

 

②建物の構造や間取り

新築優位

住宅をつくる技術や工法は毎年進化を続けています。年々住宅の性能がますますアップしているので新築の方が構造も丈夫でサッシも性能が良いものが入っている確率は上がります。また、これから建てる場合は自分で決めることもできます。住宅性能の観点から見ると、最新の構造や耐震装置を備え、耐久性、耐震性、防音性、遮音性、バリアフリーなどに配慮した新築の方が安心と言えるでしょう。設備も新しいので、安心です。ですが、かなり重要な注意点があります。2025年に省エネ基準適合義務化が控えているのです。断熱に対して配慮をしていない住宅は折角新築でも数年後その価値を大きく毀損することがあるのです。

 

これに対して中古は、新築より構造や設備が古いのは致し方ないことですが、日頃の管理やメンテナンス次第で建物の寿命が変わってきます。過去にどのような修繕を行ったかをチェックした上で、気になる点があればリフォームやリノベーションを行う必要があります。

 

中古住宅で気を付けるべき点はやはり建物が建てられた年代です。

まずはこちらをお読み下さい。

築年数別おススメ性能向上リノベーション|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

 

1981年以前に建てられた旧耐震基準、1981年から2000年の間に建てられた81-00住宅(新耐震基準)、そして2000年基準どの時代の基準で建てられた建物かが重要になります。

 

また、新築をこれから建てる場合は家の形も自由に設計することができますが、中古の場合は性能向上リノベーションでも家の形を変えることは出来ません(できる可能性はありますが、年代や書類によって高額な費用が必要)

このようなことから新築が優位になります。

 

ですが、中古にもメリットがあります。新築住宅の多くは100㎡前後を想定されて建てられることが多いので、dinks向けの間取り(大きさ・広さ)になっていないことが多いのです。実際に先日ご相談頂いた方は、建物面積で新築を諦めて中古で検討されている方がおられました。

 

 

 

③住宅にかかる金額

中古が優位

同条件の住宅なら「中古」がお得!と言い切ることはできません。古くなったら価格は落ちるは当然の話ですので、中古の方が安いです。ですが、性能も考えなければなりません。中古住宅と一括りにせず各年代にあった性能向上リノベーションと新築の性能を比較できることが重要になります。中古の場合も性能を目で確認できるように数値化することが重要です。中古だから性能が劣るのは仕方ないという考え方はもう古いのです。

そして性能を同条件に合わせるとして金額の判断をする必要があります。

 

 

また、金額だけを重視するなら、何と言っても中古です。住宅の価格は立地や広さ、設備などによってまちまちですが、基本的に新築として売り出されている時が最も価格が高く、以降は年数が経つにつれて下落していきます。つまり、同じ立地で同じような条件の新築と中古があれば、中古の方が確実に安くなります。

ここで注意点です。それでも「中古の方が安いからお得」とは言い切れません。新築より年数が経っている分、メンテナンスに費用がかかったり、すぐに大規模リフォームが必要になったりする可能性があるのです。また、新築とは違い思いのほか費用がかさんでしまう可能性があるからです。

例えば雨漏り、雨漏りはどこから雨がもっているのか分からないケースがあります。安価なリフォームを繰り返しても結局直らずに、屋根全体の工事が必要になった話など噂に聞きます。安物買いの銭失いとは昔の人は良く言ったものですね。

 

 

④税制面の優遇措置

新築が優勢

住宅を購入すると、税制面でさまざまな優遇措置を受けることができますが、例えば住宅ローン控除で比較すると、新築の方がローン控除枠が多かったりします。固定資産税や不動産取得税や登録免許税は新築は必ずつかえますが(利用要件は他にもあり利用できない可能性もあります)、

住宅ローン減税について

住宅ローン減税を徹底解説します!|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

 

新築

住宅の投資型減税をご存じですか?(新築用借入の有無を問わない減税)|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

中古

中古住宅の改修工事を行った場合の所得税の特別控除|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

 

 

⑤住宅ローン審査

新築優位

住宅ローンの審査は、年齢、職業、年収、勤続年数などの条件のほかに、対象となる住宅の担保価値もポイントになります。新築は、経年劣化がないので比較的価値が高く評価されますが、中古は築年数によっては価値が低く評価されやすくなるため、ローン審査に通りにくい場合があります。また、中古住宅の場合は現在の基準で建てられない建物があったりします。このような物件は審査が厳しくなったりします。ローン審査の条件は金融機関によってまちまちなので、単純に「ローン審査は新築だからOKで、中古はNG」という訳ではありません。

詳しくはこちら

住宅ローンが組みづらい物件そしてその解決策を解説|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

 

⑥ご近所づきあい

引き分け

事前チェックが可能な「中古」と、仲間入りしやすい「新築」

これから長く住む住宅ですから、ご近所さんの人となりや付き合い方が気になる人も多いことでしょう。中古の場合は、事前に近所やマンション内を見て、どんな人が住んでいるのか、会話やゴミ出しのマナーをチェックすることができます。ところが新築の場合、住んでみなければご近所さんがどのような人か分からないケースが大半です。住んでから「しまった!」と思っても、後戻りはできなません。

けれどもご近所さんが気になるのは誰でも同じなので、ご近所づきあいのことを考えて、あえて新築が集まる分譲住宅地を選ぶ人もいます。新しい分譲住宅地は、入居者全員がゼロからのスタートです。そのため、ご近所づきあいの輪にすんなり入っていきやすいというメリットもあるのです。

 

⑦アフターケアと保証期間

新築優位

保証が充実しているのは断然「新築」

新築住宅には10年間の保証期間があり、もしもこの期間内に柱や梁などの構造的に重要な部分に欠陥が見つかった場合、無料で補修などのアフターケアが受けられる制度があります。

ところが中古住宅の場合、この保証期間が数ヶ月~2年程度と短く、中には保証がないものもあります。中古を購入するなら、あらかじめ保証期間を確認しておきましょう。

 

⑧入居までの流れ

中古優位

「中古」ならしっかり下見ができる!

入居するまでの時期や下見の方法も、新築と中古で違いがあります。新築の場合、建設途中やその前の状態で販売されるので、完成後のイメージが掴みづらく、また入居まで1年近くかかってしまうこともあります。最近では建物の完成間近に契約をする人も増えていますが、それでも良い部屋は「早い者勝ち」であることは言うまでもありません。

 

中古住宅は既に建物があるので、下見で建物の状態や日当たり、眺望、ご近所さんの様子などをチェックしてから購入できます。中古戸建てにそのまま住む場合は比較的スピーディに入居することも可能でしょう。転勤や入学、進学などの理由で「○月までに入居したい」という時は、新築より中古に絞って家探しをした方が良いケースもあります。

 

 

2.その他新築と中古のメリット・デメリット

・新築に住むという満足感

実は、新築一戸建てを購入する理由の1位は気持ちの問題です。それゆえ譲れない人も多いと思いますが、実は新築志向は日本人特有の考え方です。

これからの時代は耐震性と断熱性の性能の高い住宅は中古の試乗でも値崩れしにくい物件になります。

・最新の設備が設置されている場合もある

太陽光発電システムや家庭用蓄電池などは、中古だと間取りや構造の問題で後付できないケースもあります。

 

・中古戸建てのメリット

・新築より2割~5割程度安い

従来、木造住宅は築20年で価値がほとんどなくなってしまうといわれていました。そのため、物件によっては一軒家であっても土地代だけで購入できるケースもあります。

材料費が高騰している現在、利用できる構造躯体などを利用して、安価で性能向上リノベーションを行います。

 

・現物を見ながら日当りや風通しを確認できる

日差しのまぶしさや吹き抜ける風の気持ち良さなどは、建物が完成した後でしか確認できません。

 

・中古戸建てのデメリット

・昔の法律で建てられた物件は建て直すと狭くなる場合がある

建築基準法など住宅に関する法律は数年ごとに改正されます。そのため、当時は適法で建てられた建物でも、現在は*狭くしないと建て直せない場合があります。

※逆に広くできる場合もあります。

 

・維持費用が新築より高い

古い物件ほど不具合が出やすく維持費用がかかる傾向があります。

 

3.まとめ

 以上のように新築戸建ても中古戸建てもどちらもいいところ悪いところがあります。選択の基準が個人の好みという部分もあるので、どちらが優れているとは言い切れないが答えだと思います。

 ですが、中古だから安いと安易な考えは危険です。中古戸建ての場合は性能向上リノベーションを行い性能を比較する必要性を検討する必要があります。新築も中古も客観的視点、性能の数値で比較検討を行う事が良いでしょう。

 また、築数十年たった建物でもしっかりした物件はいくらでもあります。これは調査を実施している不動産会社や専門家にインスペクション(住宅診断)を依頼すれば制度が上がります。

※購入前にインスペクションができるかどうかは売主の承認が必要となります。

 

 同じような「新築」VS「中古」比較などでは新築に比べて中古が安いが保証がないという内容が多く見受けられます。筆者は新築の販売からスタートして現在では中古販売+性能向上リノベーションを行っています。そこで思ったことは住宅の性能に価格は比例するということです。実はこれらを理解すると「新築」VS「中古」の枠組みは必要ないことが分かります。

 なにより、新築戸建てでも中古戸建てでも、日本の建築基準法の基準ギリギリで建てられた建物で良いのかという問題が重要です。必要なことは自分の思った性能の家に「新築」VS「中古」どちらの方が建築(リノベーション)できるのか、そして快適な生活を送れるかになります。

 

 

著者情報

宅地建物取引士 刈田 知彰

      (かりた ともあき)

ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。

私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。

新築戸建てから中古戸建てのことならなんでもご相談ください!

著者情報 刈田知彰

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