更新日2023/5/25

地目(ちもく)とは、土地の用途を表すもので、田・畑・宅地・山林・雑種地など全部で23種類あります。
全23種類の地目は、不動産登記法で定められており、地目の定め方も準則で定められています。
地目は、法務局が管理する土地の登記簿の表題部に、土地の所在、地番、地積などと共に記録されています。
土地の登記簿の表題部というのは、土地一筆ごとに、次のように法務局で作成され、管理されています。
地目は、不動産登記規則第99条で、23種類が定められているので、勝手に地目を作って、定めるなんてことをすることはできません。
また、一筆の土地に2つ以上の地目は認められていません。土地一筆につき、地目を1つが定められています。
変更があった場合など、土地の所有者が勝手に定めるのではなく、所有者からの登記申請や、登記官の職権によって、最終的に全23種類の地目から最適な地目1つを登記官が認定します。
そして、登記官によって認定された地目は、一筆の土地ごとに作成されている登記簿の表題部に記録されるのです。
(1)地目の種類
法律により定義されている全23種類の地目不動産登記事務取扱手続準則第68条では全23種類の地目とそれぞれの地目の定義が、次のとおり定められています。
田:農耕地で用水を利用して耕作する土地
畑:農耕地で用水を利用しないで耕作する土地
宅地:建物の敷地及びその維持若しくは効用を果すために必要な土地
学校用地:校舎,附属施設の敷地及び運動場
鉄道用地:鉄道の駅舎,附属施設及び路線の敷地
塩田:海水を引き入れて塩を採取する土地
鉱泉地:鉱泉(温泉を含む。)の湧出口及びその維持に必要な土地
池沼:かんがい用水でない水の貯留池
山林:耕作の方法によらないで竹木の生育する土地
牧場:家畜を放牧する土地
原野:耕作の方法によらないで雑草,かん木類の生育する土地
墓:地人の遺体又は遺骨を埋葬する土地
境内地:境内に属する土地であって,宗教法人法(昭和26年法律第126号)第3条第2号及び第3号に掲げる土地(宗教法人の所有に属しないものを含む。)
運河用地:運河法(大正2年法律第16号)第12条第1項第1号又は第2号に掲げる土地
水道用地:専ら給水の目的で敷設する水道の水源地,貯水池,ろ水場又は水道線路に要する土地
用悪水路:かんがい用又は悪水はいせつ用の水路
ため池:耕地かんがい用の用水貯留池
堤:防水のために築造した堤防
井溝:田畝又は村落の間にある通水路
保安林:森林法(昭和26年法律第249号)に基づき農林水産大臣が保安林として指定した土地
公衆用道路:一般交通の用に供する道路(道路法(昭和27年法律第180号)による道路であるかどうかを問わない。)
公園:公衆の遊楽のために供する土地
雑種地:以上のいずれにも該当しない土地
の全23種類です。
地目は、目的によって登記地目と現況地目、課税地目に区分されています。
登記地目(とうきちもく)
法務局が管理している不動産登記簿に記録された地目のことです。
現況地目(げんきょうちもく)
現在の実際の土地の現況から判断した地目のことです。
課税地目(かぜいちもく)
固定資産や相続税の評価基準を目的とした地目のことです。
これらの内、登記地目と、実際の土地の現況地目は、本来は一致しているはずです。
なぜなら、その土地の登記を行ったときに、現況や利用状況から判断して、登記地目を定めているからです。ですが、登記地目は、土地の現況と一致していないこともあります。
たとえば、山林を切り開いた実際の土地は建物が建っていて、地目は宅地と判断できるが登記地目は山林のままになっている場合などがあります。
このように登記地目と現況が異なる場合には、本来、地目変更登記を行って一致させるべきなのですが、地目変更登記を行っていない土地もあるのです。
土地の現況や利用状況に変化があり、登記地目と一致しなくなった場合には、1ヶ月以内に地目変更登記をしなければならないことが定められています。
この地目変更登記は、土地の表題部所有者、または、所有権の登記名義人に申請義務があります。
もし、地目が変わっているのに、申請義務者が地目変更登記を怠った場合には、10万円以下の過料に処せられます。
課税地目について
国税庁
土地の地目の判定
【照会要旨】
土地の地目はどのような基準で判定するのでしょうか。
【回答要旨】
土地の地目は全て課税時期の現況によって判定することとし、地目の区分は不動産登記事務取扱手続準則(平成17年2月25日付民二第456号法務省民事局長通達)第68条及び第69条に準じて判定します。
なお、同準則に定める地目の定め方の概要は次のとおりです。
(1)宅地 建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地
(2)田 農耕地で用水を利用して耕作する土地
(3)畑 農耕地で用水を利用しないで耕作する土地
(4)山林 耕作の方法によらないで竹木の生育する土地
(5)原野 耕作の方法によらないで雑草、かん木類の生育する土地
(6)牧場 家畜を放牧する土地
(7)池沼 かんがい用水でない水の貯留池
(8)鉱泉地 鉱泉(温泉を含む。)の湧出口及びその維持に必要な土地
(9)雑種地 以上のいずれにも該当しない土地
(注) 駐車場(宅地に該当するものを除きます。)、ゴルフ場、遊園地、運動場、鉄軌道等の用地は雑種地となります。
国税庁ホームページ参照
登記地目を確認したい場合、一番確実なのは、土地の現在の登記事項証明書を確認する方法です。
登記事項証明書には土地の所在、地番、地目、地積(面積)など、登記内容が記載されているからです。
登記事項証明書は、近くの法務局の窓口に出向いて、交付請求書に必要事項を記入し、手数料分の収入印紙と一緒に提出すれば、誰でも取得できます。
また、インターネットでも取得することが可能なのですが、準備が大変なので、一般の方が取得する方法としては、おススメできません。
基本的には大丈夫です。
地目が「農地法上の農地に該当するもの(田や畑など)」の場合には注意が必要です。
農転(農業委員会から農地転用の許可を受ける)その後宅地に変更する手続きが必要な場合などがあります。
住宅ローンを利用するということは必ず建物が建てれる土地即ち宅地になっていますので、基本的には上記でも説明しましたが、宅地以外の場合、地目に変更がある場合やあった場合は必要に応じて地目変更登記を行いましょう。
今回は地目について詳しく解説してみました。売買の場合基本的には宅地です。違ったとしても山林の取引がほとんどなので、それ以外の地目だった場合(ドキッ)と私もします。
問題が発生する前に確認して状況に応じた適切な対応をとりましょう。
著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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