2023.01.25
不動産ガイド お金・ローン・税金 住宅ローン 再建築不可 旧耐震 型式適合認定 築年月日 既存不適格 確認済証がない 記載事項証明書 検査済証 違法改築 木造 一戸建て

住宅ローンが組みづらい物件そしてその解決策を解説

 

 

1.住宅ローンとは?

 住宅ローンとは、「本人及びその家族」または「本人の家族」が居住するための住宅及びそれに付随する土地( 一戸建て 、マンション)を購入 、新築 、増築 、改築 、諸費用、既存住宅ローンの借り換えなどを行うために金融機関から受ける融資(ローン)のことです。

 

2.中古住宅は住宅ローンが組みにくい?

 中古住宅は住宅ローンが組みにくいと言われる理由は大きく分けて二つの理由があります。

1つ目は担保評価の問題です。

 住宅ローンを組む場合、対象不動産にはほぼ抵当権が設定されます。これは債権者の銀行が万が一債務者が借入した住宅ローンを返せれなくなった場合、対象物件手放すことで、借入した住宅ローンの返済に回すためです。

例えば極論ですが、4000万円で売れる物件に対して3000万円住宅ローンの融資は容易に行う事ができます。

 木造住宅の法定耐用年数22年です。一般的な評価とは異なりますが、築年数が相当年経過している物件(建物)は担保評価が低くなりますので、住宅ローンの借入できる金額が低くなる可能性があるのです。

2つ目がコンプライアンス的な問題です。

 新築住宅の場合は2003年に国土交通省から各金融機関に対して「完了検査に基づく検査済証のない物件への住宅ローンの融資を控えるように」と通達がなされ、以降は新築住宅であれば完了検査を受けて検査済証は発行されている物件がほとんどになりました。

 検査済証がある=違反建築物ではないので、新築住宅は住宅ローンを組みやすくという見方になるのです。

中古住宅の場合でも増築などを行っていない物件で検査済証のある物件も融資が受けやすくなるのです。

つまり2003年以降に建てられている物件は中古住宅でも住宅ローンの審査が通りやすいということになります。

 それではそれ以前の建物はどうでしょうか。令和4年度より、住宅ローン減税が利用できるかどうかの要件にもありました新耐震基準がまた一つの目安となります。

また、確認済証や検査済証がある物件では少なくなりますが、下記の状態の物件は新築住宅でも中古住宅でも住宅ローンが組みにくい物件となります。

 

3.住宅ローンが組みにくい物件とは?

 住宅ローンが組みづらい物件とは具体的にどのような物件が該当するのでしょうか。

これらに該当する物件はローンが組みづらい物件となります。

再建築不可物件、未登記部分面積が大きい(違法建築物、違反増築)

 

・住宅ローンの審査により判断されることがある

既存不適格物件、未登記部分面積が少ない、増築の確認申請を行っていないが、増築面積が10㎡以下、少ない、確認済証がない、検査済証がない

越境物があり同意書もない、長屋。

旗竿地

 

以上が代表的なローンが組みづらい物件となります。

 

4.リフォーム済みの物件を購入するか、中古物件を購入してリフォームするか

 また、実はローンが組めるかどうかは物件だけではありません。リフォーム代金のローンを組む場合はそのローンの組み方にもよります。

例えば物件を購入してリフォームをする場合はリフォーム代金の上限が決まっていることがあります。110%ローンなどと呼んだりしますが、物件金額の10%まではリフォーム費用としてローンが組めたり500万円が上限となったりします。金利が安い銀行は基本的にはリフォーム費用もローンが組める銀行でも500万円が上限と決められています。

 

また、リフォームの規模が大きくなると、リフォーム代金の支払いが3回から5回などにわけて支払うケースが多く分割実行などと呼びますが、その支払い方法に対応してくれる銀行を選ぶ必要があります。

リフォーム済み物件はリフォーム代金も物件価格に含まれているので、住宅ローンの点では心配が少ないのです。

 

5.ローンが組めない(組みにくい)物件の解決策

3.で例に挙げた物件について詳しく解説していきます。

・住宅ローンの審査のハードルがかなり高い物件

再建築不可物件

再建築不可の物件は住宅ローンを組むことは非常に困難になります。

解決方法としては以下の実績があります。

リフォームメインのローンを組む方法やノンバンク系の銀行に打診する方法があります。

また、再建築不可だったが通称但し書き認定を取得した(新築)

基本的には自己資金の多い方でしか実績はございません。再建築不可物件は担保評価が低いので自己資金が必ず必要になりますし、金利や借入期間が住宅ローンよりも条件が悪くなってしまいます。

 

未登記部分面積が大きい(違法建築物、違反増築)

違反建築、違反増築を行い、未登記面積が大きい場合、こちらもローンを組むのが非常に困難です。再建築不可物件と同じくノンバンク系でローンを組み必要あります。

 

・住宅ローンの審査により判断される物件

ここからは住宅ローンを利用できる可能性が残るものです。

既存不適格物件

既存不適格物件の注意点は違法建築物と既存不適格物件を間違えないという所になります。

 

違法建築物と既存不適格物件についてはこちらの記事をお読みください。

https://www.chukokodate.com/column/detail/?p=30

 

 

未登記部分面積が少ない

増築の確認申請を行っていないが、増築面積が10㎡以下などの場合は、銀行の審査が通る可能性があります。また未登記部分面積多少の場合はその理由を確認しましょう。

 

確認済証がない、検査済証がない

検査済証については

https://www.chukokodate.com/column/detail/?p=41

確認済証については

https://www.chukokodate.com/column/detail/?p=40

記載事項証明書については

https://www.chukokodate.com/column/detail/?p=42

 

越境物があり同意書もない

隣地に越境している場合は原則住宅ローンを利用できない可能性が高くなります。

越境に関しては何が(外構の塀なのか、建物の樋なのか、基礎なのか)どのくらい越境しているかを確認しましょう。

また、越境物を建て替えの際に正しく修正することを同意書にすることによって住宅ローンを利用できるケースがあります。

 

長屋

長屋は単独で建物を建て替えたりが難しいので住宅ローンを利用しづらいですが、銀行によっては利用できる可能性があります。

 

旗竿地

実は旗竿地は住宅ローンを利用という銀行が少数ながら存在します、注意しましょう。

 

建物面積が小さい

私も物件を提案していて忘れるのが建物面積の制限です。50㎡以下になると審査が厳しくなったり受付不可になってしまうみたいです。フラット35では戸建ての場合は70㎡以上目面積が必要になります。

 

その他、住宅ローンが組みづらい物件には狭小地や土地の権利が所有権ではないなどがあり以外にもレアなパターンを含めると住宅ローンが組みづらい物件は数多く存在します。

 

6.住宅ローンが組めるか心配な方は事前審査を

 住宅ローンの事前審査は、購入予定の物件情報、融資希望額、土地や建物の見積もり金額、年収・職業・勤務先などの情報が必要です。最近はインターネットで事前審査を受けることが多くなりました。源泉徴収票などの証明書類などの提出が必要になります。源泉徴収票は紛失しても再発行できますので早めに再発行手続きをしておきましょう。金融機関によって必要書類が異なる場合がありますので確認が必要です。

 

事前審査の必要書類

・本人確認資料(免許証やパスポートなど)

・健康保険証

・直近数年分の源泉徴収票(会社員)

・直近数年分の確定申告書(個人事業主)

・直近数年分の会社の決算書(会社経営者)

・直近の返済明細表(借り入れがある場合)

・認印

建物もそうですが、借入する本人の審査があるのが住宅ローンです。例えば借入がある方た、過去にカードなどの延滞をされているかた、勤続年数が短い方などは注意が必要です。

 

まとめ

 今回は住宅ローンが組みづらい物件そしてその解決策を解説に触れましたが、物件は千差万別です。同じような物件でもローンが組めたり、組めなかったりします。結局のところ専門家に相談して対策を練った後に銀行に打診するのがローン不可物件でローンを組む最大の近道になるでしょう。

 

住宅ローン関係のコラムまとめ
https://www.chukokodate.com/column/7/

著者情報

宅地建物取引士 刈田 知彰

      (かりた ともあき)

ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。

私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。

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著者情報 刈田知彰

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