2023.10.11
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長期優良住宅とは「中古住宅の長期優良住宅について」

中古住宅の長期優良住宅とは

 

長期優良住宅とは

長期優良住宅認定制度は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅の建築・維持保全に関する計画を「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき認定するものです。平成21年6月4日より新築を対象とした認定が開始され、平成28年4月1日からは既存住宅の増築・改築を対象とした認定が開始されました。

さらに、令和4年10月1日には既存住宅について建築行為を伴わない認定が開始されました。

長期優良住宅とは、大きく分けて以下の5つの措置が講じられている住宅を指します。

1.長期に使用するための構造及び設備を有していること

2.居住環境等への配慮を行っていること

3.一定面積以上の住戸面積を有していること

4.維持保全の期間、方法を定めていること

5.自然災害への配慮を行っていること

長期優良住宅(増築・改築)の認定を受けるためには、1~5のすべての措置を講じ、必要書類を添えて所管行政庁に申請することが必要です。

認定後、工事が完了すると維持保全計画に基づく点検などが求められます。

 

長期優良住宅の認定基準について

長期優良住宅の認定を受けるためには、次のような認定基準を満たすことが必要です。

※新築の長期優良住宅の認定基準とは異なります。

長期優良住宅

図引用:元東京都住宅政策本部

【概要】

劣化対策等級(数世代にわたり住宅の構造躯体使用できること。)

劣化対策等級(構造躯体等)等級3かつ構造の種類に応じた基準

木造 空間の有効高さ確保及び床下・小屋裏の点検口設置など(一定の条件を満たす場合は床下空間の有効高さ確保を要しない)

鉄骨造 柱、梁、筋交いに仕様している鋼材の厚さ区分に応じた防錆措置また木造の基準

鉄筋コンクリート造 ・水セメント比を減する・かぶり厚さを増す (中性化深さの測定によることも可能
​​​​​​

耐震性(極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修容易化を図るため、損傷のレベルの低減を図ること)

耐震等級(倒壊等防止)等級1(新耐震基準相当)または品確法に定める免震建築物

省エネルギー性(必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること。)

断熱等性能等級4または断熱等性能等級3かつ一次エネルギー消費量等級4

維持管理・更新の容易性(構造躯体に比べて耐用年数が短い設備配管について、維持管理(点検・清掃・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること)

維持管理対策等級(専用配管)等級3

マンション等(共有住宅)の場合は維持管理対策等級(共有配管)等級3更新対策(共用排水管)等級3

可変性(居住者のライフスタイルの変化等に応じて間取りの変更が可能な措置が講じられていること)

共有住宅及び長屋の場合 躯体天井多高さ2,650㎜以上または居室天井高さ2,400㎜以上

※一戸建ての住宅はなし

バリアフリー性(将来のバリアフリー改修に対応できるよう共用廊下等に必要なスペースが確保されていること。)

高齢者等配慮対策等級3(但し一部基準を除く)

※一戸建ての住宅はなし

居住環境(良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること。)

地区計画、景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協
定等の区域内にある場合には、これらの内容と調和を図る。※申請先の所管行政庁に確認が必要

住戸面積(良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること。)

一戸建ての住宅 75 ㎡以上

共同住宅等 40 ㎡以上    少なくとも1の階の床面積が40㎡以上

維持保全計画(建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること。)

以下の部分・設備について定期的な点検・補修等に関する計画を策定

・住宅の構造耐力上主要な部分
・住宅の雨水の浸入を防止する部分 
・住宅に設ける給水又は排水のための設備

(政令で定めるものについて仕様並びに点検の項目及び時期を設定)

災害配慮(自然対策による被害の発生の防止又は軽減に配慮されたものであること。)

災害発生のリスクのある地域においては、そのリスクの高さに応じて、
所管行政庁が定めた措置を講じる。※申請先の所管行政庁に確認が必要

「認定手続き」から「工事完了後」の基本的な流れ

「認定手続き」の流れ ※申請は着工前までに行う必要があります

長期使用構造等であるかの確認の申請

 ↓

確認書の交付

 ↓

所管行政庁への認定申請

 ↓

認定/着工 工事完了

 ↓

維持保全計画に基づく点検

 ↓

調査・修繕・改良(必要に応じて)

 ↓

記録の作成・保存

長期優良住宅化リフォーム推進事業を利用するには、認定通知書の提出が必要です。また、交付申請は工事着手前までに行わなければなりません。

工事完了時には、原則として認定を受けた計画に基づいて工事が完了した旨の報告が必要となります。
住宅を長期にわたり良好な状態で使用するためには、建築時において耐久性を確保するとともに、工事完了後に計画的に点検を行い、適切に補修及び改良等を行うことが必要になります。
認定を受けられた方は、申請時に作成した維持保全計画に従って計画的に点検を実施し、必要に応じて調査・修繕・改良を行うこと、さらにその内容の記録を作成し保存することが求められます。

長期優良住宅(増築・改築)申請必要書類

【登録住宅性能評価機関へ長期使用構造等であるかの確認を申請する場合に必要な書類 】

確認申請書

添付図書

・設計内容説明書・各種図面・計算書等・状況調査書

【 所管行政庁へ認定申請する場合に必要な書類】

認定申請書

添付図書

・確認書・各種図面・状況調査書・その他必要な書類(所管行政庁が必要と認める図書)

 

長期優良住宅(増築・改築)のメリット

長期優良住宅の基準で建てられた住宅はいつまでも安心して快適に暮らせるというメリットがありますが認定を受けることで下記のようなメリットがあります。

長期優良住宅(増築・改築)の認定を受けた住宅は、補助金、住宅ローンの金利引き下げ、税の特例や地震保険料の割引等を受けることができます。条件等の最新の情報については各お問合せ先にてご確認ください。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

既存住宅の長寿命化に資するリフォーム等を行い、長期優良住宅の認定を取得する場合、補助金を受けることができます。

補助率 対象となる工事費用の1/3

限度額 200万円/戸  次のいずれかに該当する場合は +50万円/戸 加算

〇若者・子育て世帯による工事の実施  〇三世代同居対応改修工事の実施
〇既存住宅購入者が工事を実施     〇一次エネルギー消費量が省エネ基準比▲20%となる工事の実施

住宅ローンの金利引き下げ

長期優良住宅を取得する場合 、住宅ローンの金利の引き下げを受けることが可能です。

●フラット 35 S(金利 A プラン)及び維持保全型: フラット 35 の借入金利を 当初 5 年間 年 0.5%引き下げ
6 年目~10年目 年 0.25%引き下げ

●フラット 35 リノベ(金利 A プラン): フラット 35 の借入金利を 当初 10 年間 年 0.5%引き下げ

※ 長期優良住宅の認定を取得していない既存住宅を取得し、リフォーム工事を実施して増改築認定を取得する場合も利用可能

税の特例措置

中古住宅の改修工事を行った場合の所得税の特別控除|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)

 <2024 年3月31日までに対象の工事がおこなわれたもの>

●固定資産税:一定割合を減額

対象 長期優良住宅化リフォームを行った住宅 [耐震・省エネのいずれかを行うことが必須]
  減額割合 2/3   減額期間 1 年間

地震保険料の割引き

長期優良住宅では、認定基準に定める耐震性が求められます。
 所定の確認資料を提出することで、住宅の耐震性に応じた地震保険料の割引を受けることが可能です。そのため、長期優良
住宅(増築・改築)の認定を受けた場合は、地震保険を取り扱う損害保険代理店または損害保険会社にお問合せください

●耐震等級割引き
 住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)または国
土交通省の定める「耐震診断による耐震等級の評価指針」に
基づく耐震等級(倒壊防止)を有している建物であること。
 ⇒ (割引率) 耐震等級1:10% 耐震等級2:30% 耐震等級3:50%

●免震建築物割引き
 品確法に基づく免震建築物であること。
  ⇒ (割引率)50%

長期優良住宅(増築・改築)を取得する際の注意点

中古住宅の購入と併せて長期優良住宅へ増築・改築行う際の注意点です。

注意点その1

長期優良住宅には(新築)(増築・改築)(既存)があり認定基準が異なります

注意点その2

中古住宅を取得した際は長期優良住宅(既存)でない限り最大控除額は200万円となります。

注意点その3

長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助制度を利用すると、取得から入居までの期間が6か月とい要件をクリアすることのハードルが非常に高くなります。ご利用の際はその旨をお伝えください。例として旧耐震の建物をリフォームする際は設計と耐震基準適合証明書仮申請書を取得する期間も必要となるため基本的には両方利用することは難しいとご承知おきください。

まとめ

 今回は中古住宅の長期優良住宅について解説してきました。中古住宅の場合は増築・改築を行うのかそもそも長期優良住宅(既存)どちらかということになります。基本的には売りにでている物件で新築時の長期優良住宅でない場合は長期優良住宅(既存)は業者が買い取って再販売しているケースとなります。

 東京中古一戸建てナビでは中古住宅の耐震性や断熱等性能の基準を理由にリフォーム済物件の購入はやめた方が良いとお伝えしております。

リノベーション済み物件・リフォーム物件のデメリット|戸建フルリフォームなら増改築.com® (zoukaichiku.com)

 リフォーム済物件の中でも購入して良いであろうという物件に長期優良住宅(既存)の認定基準をクリアした住宅という事があります。

 ですが、長期優良住宅でも完ぺきとは言い難い面があります。それは耐震等級に対してです。耐震補強については構造計算を行い耐震等級3を取得する必要があります。

 最後になりましたが、日本の住宅は建築基準法が制定されてからもしかすると一番の転換期を2025年に迎えることとなります。つまり、2025年以前の建物とそれ以後の建物では価値が大きく異なる事になります。このような場合に備えて自分の家は築年数は古いが長期優良住宅の性能を持ち合わせている更に耐震等級3というのはかなりのアピールポイントとなると思います。ご興味のある方は是非会員登録をお願いします。

 

長期優良住宅へのリフォームにご興味のある方は増改築.comまで増改築.comは全国対応しております

 

 


著者情報

宅地建物取引士 刈田 知彰

      (かりた ともあき)

ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。

私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。

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著者刈田の写真


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