2022.11.18
不動産ガイド 建築・リノベーション 確認済証がない 検査済証

検査済証がない!? 対処法は?

更新日2023/12/18

 

 

はじめに

 今回は検査済証について解説していきたいと思います。実は中古住宅の場合は検査済証が無いケースも多々存在します。今回は検査済証の基本的な内容から検査済証がない場合の対処法まで細かく解説していきたいと思います。

検査済証とは

 建物の完成後に行われる完了検査に合格すると発行される書類です。

検査済証がある建物は違法建築物ではないという証明の一種になります。

 

 

検査済証は意外に発行されていない

 平成10年時点で38%検査済証が発行されていません。それ以前は38%より低い取得率になります。一つの目安ですが平成15年以降の物件を購入する場合は必ず検査済証が発行されている物件を選びましょう。平成15年以前の物件に関しては以下の方法で対処していきましょう。

 

検査済証があるメリットは

 検査済証があれば、建築後の増築申請をする際や長期優良住宅化住宅の補助金を受ける際に手続きが簡略化できたりします。また増改築証明は違法建築物には発行されないので検査済証があると受けられる可能性が高くなります。

検査済証のない場合の対処方法は

 検査済証が無い場合は国土交通省が設けた「検査済証がない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためガイドライン」を活用することとなります。

但し、違法建築物には住宅ローンを使用する事できませんので注意が必要です。

平成267 国土交通省 「検査済証がない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためガイドライン」

 検査済証が無い場合はまず確認済証の有無を確認してください。あった場合は確認済証の面積と実際の建物の面積を確認してください。検査済証が無い場合は、確認済証取得後にわざと建物を大きく建てている可能性があります。これは、よく言われる違法建築物(建ぺい率・容積率オーバー)に当たる可能性が高いので確認が必要になります。

 

 検査済証のない物件に対して検査済証を発行することも「違反物件ではないことや地盤の状況にもよりますが」検査済証を発行する事も可能です。但し、費用も時間もかかりますし、もしその過程で違反物件だとわかったら発行できないのでメリットよりもデメリットの方が多くなるので難しい問題ではあります。

 

確認済証が無い時の対処法はこちらの記事をお読みください!

https://www.chukokodate.com/column/detail/?p=40

確認すべきポイント

 大事なことは検査済証が無い理由になります。

 今では考えられませんが、当時費用の問題で周りも取得していないので、自分もとらなくてよいという考え方で検査済証が無い物件は多くあります。築年数が古くなればなるほど、検査済証がない物件は増えてきます。検査済証があればラッキーですが、検査済証があることを条件に物件探しをする場合は検討できる物件がかなり少なくなります。

そこで必要なのが、違反物件なのか既存不適格なのか、検査済証が無いだけなのかという。確認なのです。

 

まとめ

 2003年に国土交通省から各金融機関について検査済証のない新築物件への融資を控えるように通達がなされてそれ以降の物件にはほぼ検査済証が存在します。ですがそれまでの物件はなくても良いと考える業者も少なくなく、検査済証が無い物件が多く存在します。中古戸建ての場合、検査済証ないからといってその物件が特段悪い物件というわけではないのでこれらを理解するか、または、しっかりと理解している業者に依頼をし、適切な対応をする事が重要になります。

 

 

関連コラムはコチラ

よく似た書類に台帳記載事項証明書と確認済証があります。そちらに関しては下記コラムをご覧ください。

 

台帳記載事項証明書に関してはこちらの記事をご覧ください。
https://www.chukokodate.com/column/detail/?p=42

 

確認済証についてはこちら

https://www.chukokodate.com/column/detail/?p=40

 

 

著者情報

宅地建物取引士 刈田 知彰

      (かりた ともあき)

ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。

私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。

新築戸建てから中古戸建てのことならなんでもご相談ください!

著者情報 刈田知彰

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