2026.02.28
不動産ガイド

築20年vs築30年vs築40年|中古住宅の築年数別メリット・デメリット

築20年vs築30年vs築40年|中古住宅の築年数のインフォグラフィック目次

1. はじめに|築年数で迷うのは当然です

中古住宅を探し始めると、多くの方がぶつかる壁があります。それが「築年数、どこまでなら大丈夫なの?」という疑問です。

不動産ポータルサイトで検索すると、築20年で2,500万円の物件もあれば、築40年で800万円の物件もある。価格差は魅力的だけれど、「安い物件は何か問題があるのでは?」と不安になりますよね。

私は不動産業界で16年、数百件の中古一戸建てを見てきました。その経験から断言できるのは、築年数だけで物件の良し悪しは判断できないということです。築40年でもしっかりメンテナンスされた家は、築20年の放置された家よりも状態が良いケースは珍しくありません。

とはいえ、築年数によって建築基準や使われている設備、リフォームの必要度合いに傾向があるのも事実です。この記事では、築20年・築30年・築40年の3つの築年数帯を7つのポイントで徹底比較し、あなたに合った築年数の選び方をお伝えします。

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2. 築20年・築30年・築40年の概要と時代背景

まず、それぞれの築年数がどんな時代に建てられた家なのか、整理しておきましょう。建築された時代によって適用される法律や基準が異なり、これが建物の性能に大きく影響しています。

築20年(2006年前後の建築)

2000年の品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)施行後の建物です。品確法では住宅性能表示制度が導入され、耐震等級や断熱等級が数値で示されるようになりました。さらに、2003年のシックハウス法(改正建築基準法)により、ホルムアルデヒド対策として24時間換気システムの設置が義務化されています。比較的現代の住宅に近い仕様で建てられた家が多いのが特徴です。

築30年(1996年前後の建築)

1981年の新耐震基準(震度6強〜7程度の地震でも倒壊しない設計基準)が適用された世代です。阪神・淡路大震災(1995年)の前後に建てられた住宅で、耐震性については一定の安心感があります。ただし、品確法以前のため、住宅性能の表示基準は統一されていませんでした。断熱性能は現在と比べると物足りないケースが多く、シングルガラスのアルミサッシが主流だった時代です。

築40年(1986年前後の建築)

1981年の新耐震基準の直後に建てられた住宅です。ここで重要なのは、1981年6月1日が新耐震基準の施行日ということ。築40年ちょうどの物件は新耐震基準に適合していますが、それより少し古い物件は旧耐震基準で建てられている可能性があります。建築確認の日付(着工許可の日付)が1981年6月1日以降かどうかが判断基準になります。断熱に関しては1980年に旧省エネ基準が制定されましたが、実際の施工レベルはばらつきが大きい時代でした。

3. 徹底比較|7つのポイントで見る築年数別の違い

ここからが本記事の核心です。築20年・築30年・築40年を7つの重要ポイントで比較していきます。まずは比較表で全体像を掴んでいただき、その後に各項目を詳しく解説します。

築年数別 比較一覧表

比較ポイント 築20年 築30年 築40年
価格帯(東京近郊・30坪目安) 2,000〜3,500万円 1,200〜2,500万円 800〜1,800万円
耐震性 ◎ 新耐震+品確法対応 ○ 新耐震基準適合 △〜○ 旧耐震の可能性あり
断熱性 ○ 次世代省エネ基準相当 △ 新省エネ基準レベル △ 旧省エネ基準以下も
間取りの傾向 LDK中心・対面キッチン多い DK+和室が多い 独立キッチン・和室中心
住宅ローン ◎ ほぼ問題なし ○ 審査はやや厳しめ △ 借入期間に制限も
リフォーム費用目安 200〜500万円 500〜1,000万円 800〜1,500万円以上
資産価値 建物価値あり(下落は緩やか) ほぼ土地値に近い ほぼ土地値(建物価値ゼロに近い)

3-1. 価格帯

中古住宅の価格は、築年数が古くなるほど下がるのが基本です。木造住宅の場合、税法上の耐用年数は22年。つまり築22年を超えると建物の税務上の価値はゼロになります。ただし、これはあくまで税務上の話で、実際の取引価格はメンテナンス状態や立地によって大きく変わります。

私のお客様のケースでは、東京都下で築25年・土地30坪の物件を1,800万円で購入し、500万円のリフォームで合計2,300万円。同じエリアの新築が4,500万円だったので、約半額で理想の住まいを手に入れた計算になります。

3-2. 耐震性

耐震性を語るうえで欠かせないのが、1981年の新耐震基準2000年の品確法の2つの転換点です。

  • 築20年:2000年以降の建築で、接合部の金物補強や地盤調査が義務化された世代。耐震性は比較的高いと言えます。
  • 築30年:新耐震基準には適合していますが、2000年基準と比べると接合部の仕様にばらつきがあります。
  • 築40年:新耐震基準の直後ですが、物件によっては旧耐震の可能性も。必ず建築確認日を確認しましょう。

実際の現場では、築30年で耐震補強工事を行った物件が、未補強の築20年よりも耐震性が高いケースもあります。築年数だけでなく、補強履歴も重要な判断材料です。

3-3. 断熱性

断熱性は住み心地と光熱費に直結するポイントです。

  • 築20年:次世代省エネ基準(1999年制定、現在の省エネ等級4相当)を意識した施工が多い。ペアガラスの採用も増えてきた時代です。
  • 築30年:新省エネ基準(1992年制定)レベル。壁に断熱材は入っていますが、厚さが不十分なケースが多く、窓はシングルガラスのアルミサッシが主流でした。
  • 築40年:旧省エネ基準(1980年制定)レベルか、それ以下。断熱材が入っていても薄く、夏は暑く冬は寒い家が多いのが実情です。

断熱リフォームの費用は窓の交換だけでも1箇所あたり15〜30万円、家全体の断熱改修となると200〜400万円ほどかかります。築年数が古いほど断熱改修の必要性が高まることは覚えておきましょう。

3-4. 間取りの傾向

時代によって「良い間取り」の考え方は変わります。

  • 築20年:リビング中心の生活スタイルが定着し、LDK一体型の間取りが主流。対面キッチンやリビング階段も増えてきた時代です。
  • 築30年:ダイニングキッチン+和室の組み合わせが多い。和室を洋室に変更するリフォームは比較的容易で、費用は20〜50万円程度です。
  • 築40年:独立型キッチンに和室中心の間取り。現代の生活スタイルに合わせるには間取り変更が必要になることが多く、壁を撤去してLDKに変更する場合は100〜300万円ほどかかります。

3-5. 住宅ローン

金融機関は中古住宅の融資にあたり、築年数による借入期間の制限を設けることがあります。

  • 築20年:ほとんどの金融機関で35年ローンが組めます。フラット35も問題なく利用可能です。
  • 築30年:金融機関によっては「60年−築年数=最長借入期間」のルールが適用され、最長30年に制限されることがあります。
  • 築40年:借入期間が20年程度に制限されるケースが増えます。月々の返済額が上がるため、借入可能額にも影響します。フラット35は適合証明書が取得できれば利用可能ですが、旧耐震の場合は耐震改修が条件となることもあります。

3-6. リフォーム費用

物件価格が安くても、リフォーム費用を合わせた「総額」で考えるのが鉄則です。

  • 築20年:水回り設備の交換と内装リフレッシュ程度で住めるケースが多い。200〜500万円が目安です。
  • 築30年:水回り全交換に加え、外壁・屋根の塗り替え、給排水管の更新が必要になることが多い。500〜1,000万円が目安です。
  • 築40年:構造補強、断熱改修、水回り全交換、配管全更新とフルリノベーションレベルの工事が必要。800〜1,500万円以上を見込んでおきましょう。

私のお客様で実際にあった例ですが、築38年の物件を900万円で購入し、1,200万円のフルリノベーションを実施。合計2,100万円で新築同等の住まいに仕上がりました。同エリアの新築は4,000万円でしたから、約半額で理想の住まいを実現できたわけです。

3-7. 資産価値

将来の売却を視野に入れている方にとって、資産価値は重要なポイントです。

  • 築20年:建物にまだ一定の価値が認められます。ただし、築20年を過ぎると下落が加速する傾向にあります。
  • 築30年:価格はほぼ土地値に近づいています。逆に言えば、ここから先は大きく値下がりしにくいというメリットがあります。
  • 築40年:建物の価値はほぼゼロ。土地値での取引が中心です。資産価値としてはこれ以上下がりにくいため、「底値で買える」安心感があります。

???? 施工現場からのアドバイス

16年間で数百件の中古住宅を見てきた経験から率直にお伝えすると、実際のところ築25〜35年あたりが最もコストパフォーマンスが良いと感じています。

その理由は3つあります。まず、物件価格がほぼ土地値まで下がっているため「買った瞬間に損をする」リスクが低いこと。次に、新耐震基準に適合しているため構造の安心感があること。そして、適切なリフォームを行えば新築同等の住み心地が実現でき、物件+リフォームの総額が新築の50〜70%で収まるケースが多いことです。

ただし、大前提としてメンテナンス履歴の確認が不可欠です。外壁や屋根を定期的に塗り替えてきた家と、30年間一度もメンテナンスしていない家では、同じ築年数でも状態がまったく違います。物件選びの際は「築年数」だけでなく「お手入れ歴」にも注目してください。

4. 築20年のメリット・デメリット

メリット

  • 新耐震基準+品確法に適合:接合部金物や地盤調査が義務化された世代で、耐震性への安心感が高い。
  • 設備が比較的新しい:キッチン・浴室・トイレなどの水回り設備は、そのまま使えるか、部分交換で対応できるケースが多い。
  • 住宅ローンが組みやすい:35年ローンやフラット35がほぼ問題なく利用でき、資金計画を立てやすい。
  • 間取りが現代的:LDK一体型の間取りが多く、大規模な間取り変更なしでも暮らしやすい。
  • 24時間換気システム搭載:2003年のシックハウス法以降の物件は換気設備が標準装備。

デメリット

  • 価格が高め:中古住宅としてはまだ建物価値が残っているため、新築との価格差が小さい。「中古なのにこの値段?」と感じることも。
  • 値下がりリスクがある:今後10年で築30年になると建物価値が大きく下がる可能性があり、資産価値の目減りが気になる方には注意点です。
  • 水回りの寿命が近づいている:給湯器(寿命10〜15年)やガスコンロなど、設備交換のタイミングが近い可能性があります。

5. 築30年のメリット・デメリット

メリット

  • 価格と品質のバランスが良い:物件価格が土地値に近づいており、リフォーム費用を合わせても新築の50〜70%で収まることが多い。
  • 新耐震基準適合:1981年以降の建築なので、基本的な耐震性は確保されている。
  • 資産価値が安定:すでに大幅な値下がりが済んでいるため、購入後の資産価値の目減りが小さい。
  • 固定資産税が安い:建物の評価額が低いため、毎年の税金負担が軽減される。築20年と比べて年間3〜5万円ほど安くなるケースもあります。
  • リフォームの自由度が高い:建物価値がほぼ土地値のため、思い切った間取り変更やフルリノベーションに踏み切りやすい。

デメリット

  • 水回り設備の全交換が必要:キッチン・浴室・洗面台・トイレの4点セットで200〜400万円ほどの費用を見込む必要があります。
  • 外壁・屋根のメンテナンスが必要:2回目の外壁塗装(80〜150万円)や屋根の葺き替え(100〜200万円)のタイミング。
  • 断熱性が不十分:シングルガラスのアルミサッシが多く、冬の結露や光熱費の高さが気になる場合は、断熱改修の検討が必要。
  • 住宅ローンの制約:金融機関によっては借入期間が制限され、月々の返済額が増える可能性がある。

6. 築40年のメリット・デメリット

メリット

  • 圧倒的な価格の安さ:建物価値がほぼゼロで土地値に近い価格。東京近郊でも1,000万円以下で購入できる物件が見つかります。
  • 資産価値が底値:これ以上大きく下がることが考えにくい。「値下がりを気にしなくていい」のは大きな安心材料です。
  • 固定資産税が最も安い:建物の評価額がほぼゼロに近いため、税負担が最小限。
  • リノベーションで理想の家に:間取りから全面的に変えられるため、自分だけのオリジナルの住まいを一から設計できる楽しさがあります。
  • 立地の良い物件が見つかりやすい:古くから開発された住宅地にあるため、駅近や学区の良いエリアなど好立地の物件が多い傾向にあります。

デメリット

  • 旧耐震基準の可能性:1981年5月以前に建築確認を受けた物件は旧耐震基準。耐震改修費用(100〜200万円)が追加で必要になります。
  • 大規模リフォームが必須:構造補強・断熱改修・配管全更新を含むフルリノベーションが必要で、800〜1,500万円以上の費用が見込まれます。
  • 住宅ローンが組みにくい:借入期間が20年程度に制限されるケースが多く、月々の返済負担が大きくなる。自己資金を多めに用意する必要があります。
  • アスベスト(石綿)の可能性:2006年以前の建物にはアスベスト含有建材が使われている可能性があり、解体やリフォーム時に追加費用が発生することがあります。
  • 瑕疵保険(かしほけん)に入りにくい:既存住宅売買瑕疵保険(購入後に見つかった不具合を補償する保険)の加入には、インスペクション(建物状況調査)で基準を満たす必要があり、築古物件はハードルが高い。

7. あなたに合った築年数は?|予算別・目的別おすすめ

ここまで読んで、「それで結局、自分にはどの築年数が合うの?」と思われた方も多いでしょう。予算と目的別に整理しましたので、参考にしてください。

予算別おすすめ

総予算(物件+リフォーム) おすすめ築年数 理由
3,000万円以上 築20年 リフォーム費用を最小限に抑えつつ、性能の高い住まいが手に入る
2,000〜3,000万円 築30年 物件価格を抑えてリフォームに予算を回せる。コスパ最強ゾーン
1,500〜2,000万円 築35〜40年 物件を底値で購入し、リフォームで新築同等にする戦略

目的別おすすめ

「とにかく安心して暮らしたい」方 → 築20年がおすすめ

耐震性・断熱性・設備の状態が比較的良く、大きなリフォームなしですぐに住み始められます。住宅ローンも組みやすく、初めて中古住宅を購入する方にとって安心感のある選択肢です。

「コスパ重視で賢く買いたい」方 → 築30年がおすすめ

価格が十分に下がりつつ、新耐震基準に適合している築30年前後がベストバランス。水回りの交換と内装リフォームを行えば、新築の60〜70%の総額で快適な住まいが手に入ります。

「自分好みにフルカスタムしたい」方 → 築40年がおすすめ

物件を最安値で手に入れ、浮いた予算をリノベーションに全投入する戦略です。間取りの制約にとらわれず、一から理想の住まいを設計できる自由度が最大の魅力。ただし、構造に精通した施工会社選びが成功の鍵になります。

「将来の売却も視野に入れたい」方 → 築30年がおすすめ

すでに資産価値が安定しているため、リフォーム投資分をある程度上乗せして売却できる可能性があります。築20年を買うと今後の値下がりが気になりますし、築40年だと売却時に買い手が見つかりにくいことがあります。

8. まとめ

最後に、この記事のポイントを整理します。

  • 築20年:設備が新しく安心感が高い。ただし価格は高めで、今後の値下がりリスクがある。
  • 築30年:価格と品質のバランスが最も良い。新耐震基準適合で、リフォームで生まれ変わる。コスパ重視の方に最適。
  • 築40年:価格は最安。フルリノベーション前提で、自分好みの家を一から作りたい方向け。旧耐震・配管の全面刷新に要注意。
  • 築年数だけで判断しない:メンテナンス履歴・立地・構造の状態を総合的に見ることが大切。
  • 「物件価格+リフォーム費用」の総額で比較する。安い物件でもリフォーム費用が膨らめば、結局高くつくこともある。

中古住宅選びで大切なのは、「何年前に建てられたか」よりも「今の状態はどうか」「これからいくらで、どこまで良くできるか」を見極めることです。

私が16年間で数百件の物件を見てきて感じるのは、築年数に関わらず「大切に住まわれてきた家」は良い状態を保っているということ。皆さんにとっての最良の一軒が見つかることを心から願っています。

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刈田知彰

宅地建物取引士 刈田 知彰(かりた ともあき)

中古住宅売買の専門家。不動産業界16年のキャリアを持ち、新築マンション販売から中古戸建て・リノベーション専門へ転向。「買ってからがスタート」をモットーに、構造・耐震・断熱など建物の本質を見極めた住まい選びをサポートしています。

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