2022.10.31
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東京で中古住宅を買うと失敗する人と成功する人の違い

更新日2023年12月14日 

 人生で一番大きな買い物といえば「家」と答えるも方も多いのではないでしょうか。

 一生賃貸物件や実家で暮らす人もいますが、結婚や子供の誕生などライフスタイルの変化に伴い、「自分の家マイホーム」の購入を意識するようになり、東京で「マイホーム」を持つことはステータスであり、憧れでもあると思います。

 しかし、大きな買い物であるにもかかわらず、不動産営業マンの誘導にのり、あまり考えずに住宅を購入し、後で後悔するという話もよく耳にします。最近では、中古住宅も脚光を浴びています。マンションか戸建てか、新築か中古か、選択肢の幅は広く選び方も難しく複雑になっています。人生最大の買い物ではありますが、どの選択が正解なのでしょうか。

 

 今回は、東京で中古住宅の購入を成功させるためのポイントを伝授したいと思います。

 

 

 

ポイント1 中古住宅購入の成功事例

 中古住宅購入の成功事例と失敗事例をそれぞれ3つずつご紹介します。住宅の購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

 

事例・体験談その1 成功談 新築より安く購入できた。

資産価値の高い物件を新築より安く手に入れることができました。

都内で狭小住宅が安く売りに出されていたので購入しました。エリアを絞っていたため、周辺相場や新築住宅と比べると非常に安く手に入れることができました。買って正解でした。

 

資産価値の高い物件を新築より安く手に入れることに成功したケースです。

中古物件の良いところは、低価格で購入できるところです。その分リノベーションに予算を割けるのも成功の秘訣です。

 

掘り出し物の物件を見つけることができれば、新築よりも安くて価値のある物件を手に入れることができます。後に土地の価値が上がれば、買った時よりも高く売れるかもしれません。

 

 

事例・体験談その2 成功談 希望通りのリノベーションができた

リフォーム・リノベーションで希望通りの物件を実現した成功事例です。

購入した物件自体は綺麗な物件ではありませんでしたが、リノベーションで見違えるほど綺麗になりました。購入価格とリノベーション費用を合わせても、コストパフォーマンスはかなり良かったと思います。内装も思い通りに変えることができ、満足しています。

2つ目は、リフォームやリノベーションで希望通りの物件にすることができたケースです。

中古物件であっても、リフォームやリノベーションによって理想の住まいを実現できることが多いようです。

 

事例・体験談その3 成功談 実物が存在するので見学や調査がしやすい

中古住宅の購入に対して、両親の反対がありましたが、絶対に失敗しない為に、購入の際に日当たりや風通し、また、ご近所さんと会話などを行い実際に住んだ時のイメージをチェックしました。また、購入前にリフォームの見積もりもとり予算もしっかりと把握でき、周辺の新築戸建てより安く購入する事が出来ました。

 

実際に建物の中を見られるのは中古住宅のメリットです。また、中古住宅の場合すでに周りは住まれているので、ご近所もポイントの一つになります。

 

中古住宅の失敗事例を知り自分に活かそう。

ここからは失敗談についてお話したいと思います。

 

事例・体験談その4 失敗談 内装や設備がボロボロ

外観がとてもきれいな物件を購入しました。ところが、いざ住み始めてみると、内装がとてもひどい状態になっていました。立地は申し分ないのですが、後悔し始めています。

内装のリフォーム費用をしっかりと把握していないと住みだしてから購入を後悔することがあります。

 

中古物件の外観がとても綺麗にリノベーションされていて、内装も手入れが行き届いていたとしても、購入を即決するのは危険です。

 

内装が綺麗だから大丈夫というわけではありません。なぜなら、見た目が綺麗でも機能面で劣化している可能性があり、事実として目に見えない耐震性や断熱・省エネ性能に欠けるからです。都内で販売されているリノベーション済の中古戸建てのほとんどは表面だけきれいにしているだけの物件です、または耐震基準適合証明書を取得できる程度の建物になっています。耐震等級で言うと1という物件です。

 

例えば、屋根を塗装したのに、雨漏りがひどく、多額の修繕費がかかったという話もあります。中古住宅を購入する際は、外観・外見に惑わされないことが大切です。

 

中古住宅の場合、築年数に応じて耐震性を向上させる必要があります。地震が起きると、家が倒壊する恐れや倒壊まで行かなくても避難が必要な状態になるからです。また、断熱性能を高めることも重要です。心筋梗塞や脳梗塞の原因のひとつとされるヒートショックを軽減し、光熱費を節約することができます。アレルギーの原因である壁の中の結露を防止しカビの発生を抑え構造材の腐敗も防ぐことができます。断熱性能を高めることで建物の長寿命化にもつながります。断熱については、一足先に新築住宅では2025年にカーボンニュートラルを目指した省エネ基準が義務化されます。中古住宅に関しても今後、一定レベルの断熱改修が必要になる可能性があります。

 

リノベーションでも目安は耐震等級3と断熱等級5ないし6を基準にすることが重要です。

中古住宅は耐震・断熱性能が絶対的に不足しているので、建物に合わせた性能アップの改修が必要になります。

 

中古物件を購入した後「なんとなく耐震性能があることを知った」などの声を聞くことがあります。まだ築が浅い物件は耐震性能と断熱性能の確認を行い、築古物件は性能向上リノベーションを行う事が必要です。

 

 

2025年住宅の省エネ基準義務化

https://www.chukokodate.com/column/detail/?p=18

カーボン・ニュートラルページへ

https://www.chukokodate.com/column/detail/?p=26

 

 

事例・体験談その5 失敗談 購入後に資産価値が下がってしまった。

増税で慌てて購入したため、資産価値が下がってしまった。

増税前に慌てて購入すると、あっという間に資産価値が下がってしまう。

消費税増税前に中古住宅を購入しようとした人が、十分な調査をしないまま購入を急いだ。すると、その地域の価値は急落してしまった。

急いで購入した結果、割高な物件を買わされるケースも少なくありません。

また、個人が売主の場合、中古住宅には消費税がかかりませんので、安さ優先の物件選びは避けましょう。住宅などの高額商品は、じっくりと時間をかけてお選びください。

 

 

事例・体験談その6 失敗談 住宅ローンの返済が困難に

家探しを始めた当初は、予算の関係で中古住宅を選ぼうと思っていましたが、中古住宅のリスクを聞き、予算オーバーの新築住宅を購入しました。支払いが困難なためすぐに売却を検討しましたが、ローンが残るため任意売却になると言われました。

資産価値が下がると、家を売るのが難しくなる。それはなぜでしょうか。

ローン残高が住宅の売却価格+諸費用を上回ると、ローンを完済できず、抵当権が解除できないため、売却ができなくなります。

この場合の売却方法は任意売却か競売になります。

任意売却や競売の場合は、市場価格より安く販売されることが多いので、損をすることになります。

そんなことになってしまわないように、購入時にしっかり資金計画を立てましょう。

その際、いくつかのポイントがあります。

 

 

1 無理のない資金計画を立てる

当たり前のことですが、現在賃貸物件にお住まいの場合は、家賃の金額+毎月の貯蓄額が住宅ローンの支払いの金額になるように住宅購入の検討をしましょう。実家暮らしなど家賃を払っていない場合は、現在貯めている金額+生活費(親に渡しているなど)を基本ラインとして資金計画を考えましょう。

また、お子さまにかかる費用も大きな出費となりますので、そちらも考慮して資金計画を立てましょう。

 

2 頭金を貯める

頭金をためることは、万が一のリスクヘッジに非常に有効な手段となります。先ほどの任意売却や競売の話とも関連しますが、頭金を入れる=ローン残債を少なくすることができるのです。当たり前の話に聞こえるかもしれませんが、2つの重要な効果があります。

1つ目は緊急時に売却しやすくなることです。二つ目は借入金額が少なくなることです。月々の支払いやローンの総支払額を減らせることです。そのため、任売や競売のリスクを回避することにつながります。

おまけに住宅ローンの審査も通りやすくなり、金融機関によっては金利を優遇してくれるところもあります。

 

昔ながらの営業マンが「頭金が貯まるまで家賃を払うのはバカだ」などと言うことがありますが、これは間違いである可能性が高いです。可能性が高いと書いたのには理由があります。それは、早く買った方が良い場合も考えられるからです。現在、住宅ローンを借りる際の金利は上昇傾向にあります。変動金利を選択する場合はあまり関係なくなりますが、フラット35などの固定金利の場合、早く借りたほうがいいケースも考えられますし、つまり早く購入した方が結果的に良かったという場合も考えられます。これは将来的な金利の動向の話です。頭金を貯めることはリスクヘッジにつながり、将来的にも安心して暮らしていけます。  

 

通常フラット35の場合は物件購入費の1割は自己資金を用意する必要があり、その残り1割分を借入することも可能ですが、金利が高くなってしまいます。これはフラット35の考え方も基本的には1割程度は頭金を貯める方が望ましいという考え方からきているのではないでしょうか。

 

また、人生には子どもの小学校入学などイベントがたくさんあるので、状況に応じて適切な選択をする必要がありますが、原則として頭金を貯めることが望ましいのです

 

 

 

3 資産価値の高い物件を購入・リフォームする

将来的に住宅の価値が上がるのであれば、1.2は必要なくなります。必ず値上がりすると断言はできませんが、購入の際にはいくつかのポイントがあります。当サイトのコラムや関連サイトの増改築.comには、これらのポイントに言及したコンテンツが多数ありますので、引き続きご確認ください。

 例えば、将来的に過疎化が進みそうな住宅地や災害リスクの高い地域は購入しないこと。東京でも過疎化は始まっています。テレワークが進み、地方への移住が盛んになっていますが、資産価値の高い地域で購入することも大切です。

 

もう一点はリノベーションです。東京中古一戸建てナビでは性能向上リノベーションを推奨していますが、新築同様もしくは場合によっては新築以上の性能の建物にリノベーションすることになるので、当然ながら費用は高くなります。その際に何を優先させるかが重要です。おしゃれなキッチンや豪華なお風呂に憧れがあるかもしれません。しかし、キッチンやお風呂はどうしても経年劣化が早いものです。つまり、大切なのは目には見えない建物の性能なのです。また、目に見えないからこそ、目に見えるようにすることも重要なポイントです。耐震等級3(上部構造評点1.5)がわかる証明書等を発行してもらうことが大切です。

つまり、将来的に資産価値が出るようなリフォーム(性能向上リノベーション)を実施することが大切です。

 

 

ポイント3 中古住宅購入のメリット・デメリットを知る

中古住宅には、新築住宅にはないメリットがあります。

中古住宅のメリット

値段のメリット

中古住宅のメリットは、新築住宅よりも低価格で購入できることです。リーズナブルで、新築の半額やそれ以下の価格で販売されていることもあります。

国土交通省住宅局が行った「2021年住宅市場動向調査」によると、中古住宅を選んだ理由で最も多かったのは「予算的に手が届くから」でした。中古住宅にかける具体的な金額は中古一戸建ての全国平均価格は2,959万円です。

これに対して、いわゆる建売の戸建住宅の全国平均は4,250万円で、約1,300万円の差があります。また、自分の好みに合わせて建てられる注文住宅の全国平均は5,112万円で、中古戸建住宅より約2,000万円高くなっています。

つまり、同じ予算をかけるなら、建売住宅では1300万円、注文住宅では2000万円多くリノベーションにかけることができ、内装や設備、耐震構造、補強などを自分好みにすることができるのです。中古住宅を検討することで、希望のエリアで理想の住宅を購入できる可能性がグッと高まることがわかります。

古い建物ほど価格は下がります、中古住宅をリノベーションすることで、ほぼ新築の状態で住むことも可能です。リーズナブルな価格で購入することが可能です。

 

住まいをしっかりチェックできる

中古住宅の場合、すでに建物が建っているため、新築住宅と違って日当たりや風通しを確認することができます。また、場合によってはまだ人が住んでいる時に内覧することもできるので、その家での生活をイメージしやすくなります。

新築の場合、建売住宅でない限り、隅々までチェックすることは難しいです。また、中古住宅は物件数が多いのが特徴です。選択肢が増えることで、自分が住みたいエリアで家を探すことができます。

 

資産価値について

新築を建てる開発地は、駅から離れた便利な場所にあることは少ないのですが、中古住宅はそうではありません。「駅近」「スーパーや病院が近い」などの便利な立地になることが多いでしょう。開発地は将来資産価値が下がることが予測されますが、駅近の利便性の高い英愛は資産価値が下がりづらいです。

新築住宅の場合、年を追うごとに資産価値は下がり、築20年程度を過ぎると、ほとんど下がらない。つまり、最初から何年か経った「中古物件」は、その価値を維持することができるのです。

最後に、中古住宅や中古戸建住宅を選択肢として考える大きなメリットは、選択肢の幅が広がることです。

不動産購入で最も重要な要素の一つである「立地」にこだわることができます。物件を検討する際、まず立地を指定される方が多いと思います。例えば、2022年現在、東京都品川区にある新築戸建は約30棟、中古戸建は約120棟あります。

単純計算ではありますが、これだけでも選択肢の数は4倍になったことになります。新築住宅をお探しの方の中には、「中古住宅はあるけど新築住宅はでていない」と思った経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

中古住宅購入のデメリット

一方で、中古住宅を購入するデメリットもあります。

古い物件は傷みが目立つことも

古い家ほど安く購入できる可能性が高いですが、その分傷みも激しいです。リフォームを行っていない限り、自分で修繕費を負担しなければならないこともあり、安く購入したのに結局、諸費用やローンの関係で新築よりも価格が高くなってしまうリスクもあります。

 

各種設備の老朽化

「トイレが古い」「キッチン周りの傷みがひどい」など、各種設備の老朽化が著しい状況も考えられます。トイレなどの設備が古いと、すぐにリフォームをしないと快適に使うことが難しくなります。中古住宅を購入する際は、設備故障のリスクに備え、リフォームの費用を頭に入れておく必要があります。

 

築年数に注意する

このように、中古住宅のデメリットは「価格が安い分、痛みが生じる可能性がある」「不具合が生じる可能性がある」ということです。中古住宅を購入し、リフォームで性能を向上させれば、トータルコストは新築住宅と同程度になりますが、性能は確保でき、資産価値の高い住宅となります。築年数に応じて行う必要があるリフォームが変わることも注意が必要です。

 

一般の方がよく言われる中古住宅のデメリットと注意点。購入後、リフォームのためにスケルトン状態にすると、一般的に構造部分に傷みや劣化が生じ、思わぬ出費となる可能性があります。

そのような事態を避けるために、専門家にホームインスペクションを依頼するのが一般的ですが、これには費用が発生します。

 

また、売主が業者であっても、高く売ることが目的なので、例えば、設備の交換やクロスの張り替えなど、目に見える部分のリフォームを行い、本来求められる耐震性能や断熱性能がおろそかになっているケースも少なくないのです。リフォーム済物件は更に要注意物件になります。

 

ポイント4 中古住宅(中古戸建て)+リノベーションのポイントについて

 中古住宅と新築住宅では、瑕疵担保期間に大きな違いがあります。瑕疵担保とは、購入前に気づかなかった欠陥(キズ、不具合)があった場合、買主は売主から修理や保証を受けられるというものです。新築住宅の場合、住宅の構造耐力上必要な部分や雨水の浸入を防止する部分の瑕疵による損害は10年間保証されます。設備の場合は1週間です。物件によっては、築年数の関係で保証がない場合もありますので、契約時に確認する必要があります。

 また、不動産会社の建築の知識から、できるものをできないと言ったり、できないものをできると言ったりするケースも少なくありません。以前、「地震が怖いので耐震等級3にしたい」という方がいらっしゃったとき、不動産会社から「既存の戸建て住宅の耐震補強をしても、耐震等級3にはできない」と説明されたことがあります。そのため、中古住宅、特に中古戸建住宅を選択肢の一つとして検討する場合は、建築の知識が豊富な不動産会社また建築会社ラインに相談することで、正しい選択ができるようになります。

 

 

 中古住宅(中古戸建て)には、築1年の比較的新しい建物から築50年以上の古民家、大型住宅、小型住宅など、様々な種類があります。構造も木造、鉄骨造、RC造、在来工法、2×4工法など、さまざまな種類があります。

 中古住宅を購入する際の重要なポイントとして、まずは築年数が挙げられます。

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査によると、1950年~2000年に建てられた2階建て以下の在来木造住宅の9割以上が耐震性に欠けていることが分かっています。これは、1995年に発生した阪神・淡路大震災の教訓から建築基準法が改正され、2000年以降に建てられた住宅は、基礎の形状、柱頭・柱脚・筋交いの接合方法、金物の仕様、耐力壁のバランス計算などが義務付けられているためです。そのため、比較的安全性の高い基準となっています。

 そして、この基準は現行の建築基準法であるため、不動産業者の立場からすると、安心して紹介できる指標になります。また、2000年4月1日に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行され、住宅性能表示制度がスタートしましたので、その物件に性能表示があるかどうか、ある場合はどのような性能を示しているのかを確認してみてはいかがでしょうか?少なくとも現在の耐震基準を満たしている建物の新築時は「耐震等級1」となっています。

※熊本地震では、現在の「耐震等級1」の1.25倍の耐震性能を持つ「耐震等級2」の建物が倒壊しました。そこでハイウィルでは、現在の「耐震等級1」を最低基準とし、「耐震等級3」まで性能を向上させる補強を行いました。

 

 次に新耐震基準ですが、新がつくからといって安心はできません。この時代の建物の特徴として、構造体の接合部が釘だけのものが多いことが挙げられます。2016年の熊本地震では、基礎が引き抜かれる被害が多く報告されたからです。また、熊本地震では震度6強の地震が6回あり、2000年以降に建てられた建物の被害も確認されています。阪神淡路大震災M7.3でも大丈夫なように設計された住宅でも、このような被害が出る可能性があるのです。

 そこで、東京中古一戸建てナビでは物件調査を行い、現在の最高ランクである「耐震等級3」を取得するための基本仕様を提案しています。

 

 中古住宅を購入する際、最も注目されるのは、2000年以前に建てられた物件です。通常、日本の中古住宅は、築20~30年になると建物の評価額がゼロに近づきます。取り壊し前提となる「古家付き土地」として販売されること多いです。このような古家は、土地代だけで購入することができる可能性があります。ただし、取り壊しを条件に引き渡すなどの制約がある場合もあるので、確認作業が必要です。

 

中古住宅の耐震性・断熱性

 1981年に建築基準法の大改正があり、それ以前に建てられた建物(旧耐震基準で建てられた)か、それ以降に建てられた建物(新耐震基準で建てられた)かによってコストが大きく変わってきます。

もちろん、建築意識の高いオーナー様にとっては、耐震補強や外壁のメンテナンスが頻繁に行われている物件を購入することも重要ですが、中古住宅の流通を見ると、メンテナンスがしっかり行われている物件は非常に少ないと言えます。

 また、旧耐震基準で建てられた建物に関しては、ほぼ全ての建物が基礎に鉄筋が入っていないため、基礎部分の補強が必要です。築60年以上の建物では、大谷石や玉石を使った基礎が使われていることがあります。昭和初期に建てられた建物の場合、基礎がないケースに遭遇することがあります。そのため、旧耐震基準で建てられた建物については、購入検討の段階から内外装のスケルトンリフォームを念頭に置いておく必要があります。

 このように、建物の弱点を補う「建物の性能向上が担保されている」ことを前提に検討すれば、最も必要な不動産立地条件を満たす物件の購入につながることはご理解いただけると思います。

 

 

 また、耐震の場合と同じように大きな転換期が断熱(省エネ基準)の場合にも訪れています。今後の改修のポイントになります。

 上記で紹介した他のページでは解説しておりますが、2025年度からは省エネ基準が一律適合義務づけられます。

 現行法では、延べ床面積300m2以上の中・大規模建築物は省エネ基準への適合が義務付けられていますが、小規模建築物や住宅は義務付けられていませんでしたが、これを小規模な建築物や住宅にも拡大しようというのが、今回の法律の新しい部分です。

 

 重要なのは、2025年度にはすべてのビルや住宅で省エネ基準への適合が義務化されるという点です。

義務化です。適合しないビルや住宅は建てられないということです

 つまり、1981年に旧耐震と新耐震の境界ができたように、2025年にそれぞれ「旧断熱」「新断熱」と呼ぶ日が来るかもしれないのです。

 

そして2030年にはさらに厳しくなる省エネ基準

 もう一つ、省エネ基準のさらなる引き上げも予想されています。

現時点では未定ですが、2030年度には住宅の基準が「ZEH」に引き上げられる予定です。

 

ZEHとは、「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略です。

その名の通り、年間の一次エネルギー消費量がゼロ以下の住宅をZEHと呼びます。

断熱性能」「省エネ性能」「創エネ」の3つの要素が求められ、それぞれを満たすための基準が設けられている。

ZEH基準を満たす住宅とは、断熱性能や省エネ性能に加え、太陽光発電などでエネルギーを生み出し、エネルギー消費量をゼロに抑えることができる住宅を指します。

 

 しかし、現状ではまだ「創エネ」基準をクリアすることは難しく、太陽光パネル等の設置義務化は当面見送られ、普及に向けた取り組みは将来レベルにとどまる見込みです。

2030年の水準に引き上げられる「ZEH基準」では、「断熱性能」と「創エネ」を除く「省エネ性能」を満たすことが求められています。

 

 それでも「ZEH基準」は従来の「省エネ基準」よりも厳しく、2025年度から義務化される基準への適合は、2030年度からはさらに厳しく引き上げられることになる。

厳しいという言葉にはネガティブなイメージがありますが、カーボンニュートラル実現に向けて前進するという意味もあります。

 つまり、今、中古住宅を購入して、中途半端な基準で断熱リフォームをすると、将来的に建物の価値が大きく損なわれることになるのです。これは、新築の家でも同じことです。一部のハウスメーカーや工務店を除き、2025年省エネ基準で家を建てていない会社があるのです。断熱に対する意識は会社によって様々です。そんな新築住宅を買うのと、しっかり性能アップのリフォームをした中古住宅を買うのとでは、どちらが資産価値の高い建物かわかると思います。

 ぜひ検討してみてください。また、省エネ基準や耐震性能は家の寿命を延ばしますし、従来の住宅と比較してランニングコストも少なくなります。トータルコストを考えるとどちらが良いかは一目瞭然です。

 

こちらでは、さらに詳しく築年数で応じて優先すべき性能向上リノベーションを詳しく解説しています。
https://www.zoukaichiku.com/performancegain/solution
 

 

 

5 まとめ

 今回は「東京で中古住宅を買うと失敗する人と成功する人の違い」について 実例を基に解説させて頂きました。知らないことはリスクになります。今回のコラムをご覧頂く事で有意義なマイホーム探しができることを願っています。また、中古住宅の成功のカギの一つに性能向上リノベーションがあります。

 性能向上リノベーションについて、断熱基準の見直し、耐震補強などの解説を実は知らなかった方や東京中古一戸建てナビや増改築.comで知った方もおられると思います。断熱に関してはカーボンニュートラルの動きは世界的な動きになります。今後ますます無視できない問題に発展していきます。また、せっかく高断熱化に成功しているのに建物が地震で倒壊してしまっては元も子もなくなります。まずは成功談や失敗談を活かし、住み心地がよく、資産性、安全性、利便性の高い、そしてお金やローンの心配をしない住宅を購入する事が東京での住宅購入の成功ではないでしょうか。

 

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著者情報

宅地建物取引士 刈田 知彰

      (かりた ともあき)

ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。

私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。

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著者情報 刈田知彰

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