型式適合認定をご存じでしょうか。東京で中古住宅を購入してリフォームをご希望の方は特に型式適合認定を知らないで購入すると大変な事になります。
中古戸建ての購入を成功させるためには必ずおさえておく必要があります。型式適合認定とはなにか、どんなデメリットがあるのか、なぜ存在するのかをご説明いたします。

(型式適合認定)
第六十八条の十
国土交通大臣は、申請により、建築材料又は主要構造部、建築設備その他の建築物の部分で、政令で定めるものの型式が、前三章の規定又はこれに基づく命令の規定(第六十八条の二十五第一項の構造方法等の認定の内容を含む。)のうち当該建築材料又は建築物の部分の構造上の基準その他の技術的基準に関する政令で定める一連の規定に適合するものであることの認定(以下「型式適合認定」という。)を行うことができる。
単純に言ってしまうと国土交通大臣から許可を取っているので、許可に合った家(部分)ならば(その家は審査や調査の対象にしない)許可をもらえてしまうのが、型式適合認定といいます。型式認定工法などとも言われています。
〇型式適合認定メリット
型式適合認定のメリットは工期が短縮できることと、オリジナル工法としてブランド化ができるということです。つまり工期が短縮されるのでコストが下がりブランド化をすることによって高く売れるというハウスメーカーにとってはとても都合の良い法律となります。
ハウスメーカー目線で考えた場合、構造計算や確認申請の手間や費用を考えると、消費者に対して、国土交通大臣のお墨付きをもらった建物を必要のない試験、検査で無駄に費用を使う必要がなく消費者に還元出来るというメリットがあります。
〇型式適合認定デメリット
但し、デメリットもあります。
型式適合認定で建てられた家は、依頼した住宅会社以外で構造計算などを行うことができないのです。つまり、依頼した住宅会社を通さないと増築やリノベーションを行う事が難しくなってしまいます。
独自の部材や工法を用いて設計建てられた家なので、勝手にリフォームできない、すなわち独占状態になり、リフォームやリノベーションをする際の費用を相見積もりすることが出来ずなくなってしまう可能性があります。
新築時から住まわれていて住宅会社と付き合いがある場合はまだましですが、中古で購入した場合を考えるとリスクが発生すると考えられます。
他社に自社の技術を盗まれないように認定内容は非公開になっていますが、もちろん企業を守るという側面もありますが、認定内容が他社にはわからない、クローズド工法になってしまいます。
性能向上リノベーションをお考えの方は購入を見送った方が良い物件となります。
著者情報
宅地建物取引士 刈田 知彰
(かりた ともあき)
ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。
私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。
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