2022.10.21
不動産ガイド 道路 2項道路 位置指定道路

2項道路について「建築基準法上の道路」

更新日:2023/12/25

2項道路とはについて詳しく解説

 

 

 今回より道路について詳しく解説していきたいと思います。道路シリーズ①です。

 道路は東京に限らず不動産で重要ポイントの一つです。接道をしていない土地に建物を建てることができないからです。新築住宅の場合は必ず、接道条件を満たしていますが、中古住宅の場合は建物が建っていても接道条件を満たしていないことがあります。再建築不可やセットバックがこれに該当します。

 一概に道路と言っても様々な種類があります。指定道路など特に扱いが難しい道路について詳しくシリーズ化して解説していきたいと思います。

 今回は2項道路についてです。

 

道路シリーズ➁~位置指定道路~はこちらhttps://www.chukokodate.com/column/detail/?p=60

 

 

1.指定道路とは

まず、指定道路とは特定行政庁がしている道路となり下記のような種類に分かれています。

  1. 法42条1項4号
  2. 法42条1項5号
  3. 法42条2項
  4. 法42条3項(水平距離)
  5. 法42条4項
  6. 法68条の7第1項

 

今回はその中の3.建築基準法上第42条2項を取り扱いたいと思います。

 

2.2項道路とは?

 大原則として現在、家を建てるためには、原則として道路に対し敷地が幅員4m以上の道路(建築基準法上の道路)に2m以上接する必要があります。

 

 しかし、建築基準法ができたのは昭和25年になり、これより以前に建てられた家は、幅員が4m未満の道路に面しているものも多く存在します。これらをすべて取り壊すことは不可能です。

 つまり救済の方法が必要になってまいります。そこで出てくるのが2項道路です。建築基準法第42条2項で例外を設け幅員4m未満であっても「建築基準法上の道路とみなす」となっています。

 

2項道路はこんな道路

2項道路とは (建築基準法42条2項道路)以下をすべて満たす道になります。

  • 基準時に存在する幅員4m未満の道
  • 既に建築物が建ち並んでいる
  • 特定行政庁が定める基準を満たす

 

 基準時とは建築基準法の施行日(昭和25年11月23日)都市計画区域に指定された時点を元道と呼びます

 

 2項道路は、現時点では幅4m未満であっても、将来的(具体的には建物の建て替えなどの場合)には幅が4m以上にすることを想定しています。ここで4m未満の道路を4m以上に調整することをセットバックと言います。

 

 セットバックは①元道の中心から原則2m後退したところが道路と敷地の境界する場合や②反対側に河川や崖、線路などがあった場合は一方後退4mする必要があります。

 また、セットバックで後退した面積は道路になりますので、門や壁を作ることは出来ません。また、敷地面積としてカウントしないので、多くの建物は建て替え前より小さな建物になるケースが多いのです。

 

 

3.2項道路の問題点は?

 近年ではインターネットで建築基準法上の道路種別は公開されていますが、必ずしも完全なものではないので、インターネットでの情報を信じてトラブルに発展するケースが多々見受けられます。

 

解決方法としては、建築基準法上の道路種別は、必ず【建築基準法の担当窓口】で確認を行う事が一番です。

 

 

4.2項道路の3つの確認ポイントの紹介

1 建築基準法の担当窓口で確認や相談を行います。

指定道路図・指定道路調書(指定台帳)を利用します。

2 現況幅員で判断してはいけません。基準時の元道から判断することが必要です。

3 道路の中心点はどこか 

  ※東京都の場合は狭あい道路課や災害路整備課など狭い道を担当している課に確認他にも、事前協議制度で確定してくれるパターンがあります。

中心標がすでに打ってある場合もあったりします。

4 道路の現況から各自で判断するパターンの場合は道路の反対側の土地をよく見てみることが必要です。もしかしたら中心後退ではなく一方後退の可能性もあります。

 

5.重要事項説明書の記入例

測量してある場合

土地家屋調査士の先生にセットバック面積の測量をお願いしている場合はそのまま説明を行います。

 

測量を行っていない場合は

2項道路の後退面積が含まれます。とだけ記入されていることが多いです。

 

敷地と道路の関係中心線が決まっている場合は指定道路図・指定道路調書(指定台帳)を参照と記入、図面があるので、建物の打ち合わせはスムーズに行えると思います。

 

決まっていない場合は変動する可能性があることが説明されます。

 

 

6.まとめ

 道路に関しては、不動産会社や建築会社が調査を当然に行いますが、道路に関しては冒頭でもお伝えしたように、不動産取引でもかなり重要な事項となります。東京で中古住宅を購入する場合、1㎡の違いで金額的にも大きな差が出てくる可能性もあります。また、説明の通り、今回取り上げた2項道路などのような複雑な道路の場合は想定と全然違う建物しか建てられないケースが起こりえますので、十分に理解しておきましょう。

 

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著者情報

宅地建物取引士 刈田 知彰

      (かりた ともあき)

ハイウィルでは主に不動産の仲介をさせて頂いております。刈田です。

私が不動産業界に飛び込んでから早16年が過ぎました。最初に入社した会社は新築マンション・新築戸建ての企画・開発・販売までを行う会社でした。そこで新築マンションや新築戸建てのノウハウを学び営業してきました。当時の私は何の考えもなしに、中古は「保証もないし」「リスクが高い」と中古のデメリットのみを説明する営業ばかりをしてきました。あるとき自分の間違えを受け入れ、これからの日本は新築が脚光を浴びるのではなく中古流通×性能向上リノベーションが日本の住宅市場のスタンダードになっていくと確信し、現在は中古流通×性能向上リノベーションをメインに物件のご紹介をさせて頂くようになりました。

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著者情報 刈田知彰

 

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