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カーポートの面積は建ぺい率・容積率に関係するのか緩和措置と注意点について
更新日:2025/10/7

はじめに
カーポートは、屋根と柱だけで造られていて壁は有りませんが、建築物に分類されます。
建築基準法での、建築物とは「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」と定められていますので、車庫やガレージはもちろん、屋根と柱だけのカーポートも建築物とみなされるわけです。
即ち、カーポートは、定められた建ぺい率と容積率のルールを守る必要があります。
ただ、一定の条件をクリアすると、建ぺい率の緩和が適用されるため、どのような条件か確認しましょう。
この記事では「カーポートの面積は建ぺい率・容積率に関係するのか緩和措置と注意点」について解説したいと思います。
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建ぺい率と容積率とは?
そもそも建ぺい率や容積率はご存じでしょうか。
建蔽率(建ぺい率)と容積率については前回のコラムで詳しく解説しています。
簡単にわかる違法建築物の見分け方「建ぺい率(建蔽率)」「容積率」とは?中古住宅購入時の注意点は?|お役立ちコラム|東京中古一戸建てナビ (chukokodate.com)
「建ぺい率」とは、敷地面積に対する建築面積の割合、
「容積率」は敷地面積に対する延べ床面積の割合になります。
ここでいう建築物には、前述で述べた通り住宅だけでなく「カーポートや車庫」も含まれます。
(例)100㎡の敷地の場合
建ぺい率/50%、容積率/100%の制限が設けられている用途地域に、100㎡の土地の場合
建築面積は、
100㎡(敷地面積)×50%(建ぺい率)=50㎡となり
建築面積として敷地を50㎡利用できます。
容積率/100%
建築できる建物の延べ床面積は、
100㎡(敷地面積)×100%(容積率)=100㎡となり
延べ床面積100㎡までの広さなら建築することができるというわけです。
容積率や建ぺい率は市区町村のホームページで簡単に調べることができます。
カーポートや車庫(ガレージ)に必要な面積
想定として普通車1台に必要なスペースを考えてみましょう。
幅は3m、奥行は6mが必要になりますので面積は18㎡(約5.5坪)になります。
建ぺい率・容積率に対する「緩和措置」について
カーポートも車庫も、その面積が「建ぺい率」や「容積率」に影響を与えますが、実は「高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、その端から水平距離1m以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない」という「緩和措置」が設けられています。
こちら、葛飾区の都市整備部 建築課の資料をお借りして説明させて頂きます。

「カーポートの端から1mまでの部分の面積は建築面積に算入しない」ということです。
高い開放性を有する建築物の条件は以下の4つです。
1.柱の間隔が「2m以上」であること
2.天井の高さが「2.1m以上」であること
3.外壁のない部分が連続して「4m以上」あること
4.地階を除く階数が「1」であること
また、カーポートも車庫も
「敷地内における建築物の延床面積の5分の1を限度として延床面積に算入しない」という容積率の「緩和措置」も設けられています。
※どちらの「緩和措置」も自治体によって内容が異なる場合がありますので、念のため、建築予定地の自治体に確認をしてください。
施工現場からのアドバイス
中古一戸建ての購入やリフォームを検討されている方に、私たちが現場で培ってきた経験からアドバイスをお伝えします。
物件選びでは「建物の構造」と「土地の条件」の両方を確認することが重要です。見た目の綺麗さだけでなく、基礎や構造躯体の状態、接道条件、用途地域などを必ずチェックしてください。これらは将来の資産価値にも大きく影響します。
不安な点があれば、専門家に相談することをおすすめします。私たち「東京中古一戸建てナビ」では、宅地建物取引士による物件調査を無料で実施しています。
緩和措置の面積について
緩和される床面積の上限
容積率の緩和では、車庫の床面積の上限を求める計算式は、
緩和される車庫の床面積の上限=(住宅の延べ床面積+車庫の床面積)×1/5
つまり、敷地内建築物全ての延べ床面積の「5分の1」が緩和される面積の上限になるのです。
カーポートや車庫の床面積が、緩和される上限面積を超える場合は、超えている部分が容積率を計算するうえでの延床面積に含めなければならないのです。
例題で計算 緩和される車庫の床面積の上限
<例>
下記の条件で緩和される床面積の上限は、
◆敷地面積/150㎡
◆住宅の延床面積/100㎡
◆容積率の上限/100%
◆車庫の床面積/36㎡(普通車2台分)
(100㎡+36㎡)×1/5=27.2㎡(緩和面積上限)となります。
車庫の床面積が36㎡ですので、上限を超えた部分「36㎡-27.2㎡=8.8㎡」が容積率の算出床面積に含まれますので、容積率を計算すると・・・・
(100㎡+8.8㎡)÷150㎡×100=72.53%(容積率)となり、容積率の上限100%内に収まっており、建築することができます。
カーポートを併設する際の注意点
カーポートを設置するときに注意すべき点は建ぺい率に関することだけではありません。ここでは、カーポート設置に関する注意点について解説します。
広さ
駐車したい車の台数やサイズによって、カーポートの広さは異なります。将来的に大きな車に乗り換える、所有する台数を増やす等の予定がある場合は、そのことも考慮して考えておく必要があります。2台併設する場合ドアの開け締めや乗り降りをするためのスペースも必要です。車の横幅ギリギリではなく余裕をもったサイズにしましょう。
近隣への配慮
隣家に接するようにカーポートを設置する場合は、隣家への配慮が重要です。
例えば、屋根が隣家に向かっている場合は、少し距離があっても雨やゴミ、雪が隣家の敷地に入ってしまう可能性があります。このような場合近隣トラブルの原因となるため、屋根の傾きには十分注意し隣家に配慮してください。また、設置前には、隣家の人に一言挨拶をお忘れなく。
強度
カーポートは強度も重要です。豪雪地帯や台風が多い地域では、強度が不十分だと、積雪でカーポートが押しつぶされる、強風でカーポートの屋根が飛ぶ、カーポートが倒れるなんてことが起こるかもしれません。
まとめ
カーポートは一定の要件を満たせば、「緩和措置」によって、「建ぺい率」にそこまで影響しないことが分かっていただけましたでしょうか。しかし、無理に設置をすると法的にもまた近隣とのトラブルにもつながる恐れがありますので、設置の際はお気をつけください。
2025年建築基準法改正とカーポートへの影響【まとめ】
2025年4月1日に施行された建築基準法改正により、これまで比較的容易に設置できたカーポートにも、建築確認申請が必要となるケースが増え、より厳格な審査が求められるようになりました。主なポイントは以下の通りです。
主な変更点:「4号特例」の廃止
これまで、カーポートのような小規模な建築物は「4号建築物」として扱われ、構造安全性の審査などが省略される「4号特例」が適用されていました。
今回の法改正でこの特例が廃止(縮小)され、カーポートは新たに「新3号建築物」に分類されることになりました。これにより、従来は不要だった構造計算や詳細な図面の提出が求められるようになり、自己判断で「確認申請は不要」と考えるリスクが非常に高まりました。
確認申請が必要となる主なケース
以下の条件に一つでも当てはまる場合、原則として建築確認申請が必要です。
面積が10㎡を超える:特に2台用以上のカーポートはほとんどが該当します。
防火地域・準防火地域に設置する:この場合、面積にかかわらず申請が必要になることがあります。
母屋(家)に接続して設置する:建物との一体化と見なされ、「増築」扱いとなります。
強風・多雪地域に設置する:地域の気象条件に応じた構造安全性の証明(耐風圧・耐積雪荷重の計算など)が求められます。
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宅地建物取引士 刈田 知彰(かりた ともあき)
中古住宅売買の専門家。不動産業界16年のキャリアを持ち、新築マンション販売から中古戸建て・リノベーション専門へ転向。「買ってからがスタート」をモットーに、構造・耐震・断熱など建物の本質を見極めた住まい選びをサポートしています。
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